仲間作り
以前の職員募集はハローワークがほとんどを占めていた。
幸い、求人を出すと問い合わせや見学が数件あり、人手不足ではあったが、どうにか運営は行えていた。
短時間の面接だけでは本人の能力や適性を見抜くことは困難のため、ある程度会社の説明や見学を済ませ、入社の希望がある場合はほとんどの人を採用していた。
これまでの社員を振り返ると、入社してすぐ辞める人が3割、1年以内に辞める人が4割、継続して働いている人が3割程度となる。
野球の打者ならば、まずまずの打率であろうが、数をこなせば雇用手続き業務は増してくるし、そもそも玉数もそんなに多い地域だとも言えないので、のうのうと問い合わせ待つスタイルを辞め、人材を見つけ出すべく動き出した。
仲間づくりの根本となった出来事として、
「荒地ワークショップを開催し整地する」
というイベントを企画した時の体験がある。
主催者からすれば、人が集まれば無償で単純労働をしてもらえる。願ったり叶ったりの企画である。
参加者からすれば、タダで肉体労働を強いる
クソみたいなイベントである。
結果、イベントは参加者30名ほど集まり、みんな笑顔で帰っていった。盛況であった。
自分の土地ですらしたくもない作業を他人の土地、ましてや無償でする人達。
嬉しい誤算であった。
作業一つ一つが単純であったため、参加者それぞれが自分にできることを自然と行い、
参加者同士のコミュニケーションが生まれ、時には競争めいた動きとなり、このような結果が生まれた。
きつくて、単純な嫌な作業ですら
コミュニケーションが良好であれば楽しい作業にガラリと変わる。
また、誰もが嫌がるようなイベントに参加してくれるパーソナリティーをもったひとなら尚更のこと。
この事象を当てはめた上に
・知り合いの医療介護福祉従事者
・居住地より車で1時間圏内
・同世代(25-40歳)
の人を中心に狙いを定めた。
普段から飲み会やイベント、仕事で多種多様な人たちと出会う機会があるため、その中からめぼしい人に声をかけ続け、現在では2名の新入社員が働いてくれている。
ハローワークの求人と違い、最初からある程度のパーソナリティーと能力がわかるし、コミュニケーションも取ることで出来、社内の雰囲気はガラッと変わっていった。
仲間集めは現在でも継続して行っており、年内にあと2名ほど一緒に働いてくれるようになっている。